こんにちは、院長の宮脇大です。
先日、患者さんからこんなことを聞かれました。
「先生、私、牛乳を飲むと必ずお腹がゴロゴロするんです・・ これって、体が弱いってことですか??」
実は、これ、めちゃくちゃ多いご相談なんですよね。
そして結論から言うと・・
それ、体が弱いんじゃなくて、遺伝的な体質です。
今日は、この「牛乳でお腹を壊しやすい体質」と LCT遺伝子の関係について、お話ししてみますね。
乳糖不耐症って、なんで起こるの?
牛乳には「乳糖(ラクトース)」という糖が含まれています。
この乳糖を分解するのに必要なのが、 「ラクターゼ」という酵素なんです。
このラクターゼをつくる設計図にあたるのが、 LCT遺伝子というものなんですね。
ところが・・
実は人間って、本来は赤ちゃんの時期にしか ラクターゼをたくさんつくらないんです。
考えてみれば、自然なことですよね。 母乳を飲まなくなった大人が、わざわざ乳を分解する酵素を たくさんつくり続ける必要はないわけです。
ところが、北欧の人たちだけが「例外」
ここで面白いのが、北欧やヨーロッパ系の方々。
彼らは数千年前から牧畜文化があって、 大人になってもラクターゼをつくり続ける遺伝子変異 を持つ方が多いんです。
これを「ラクターゼ持続症」と呼びます。
つまり、
- 北欧系の方:大人になっても牛乳OKな人が多い
- 日本人を含む東アジア系:大人になるとラクターゼが減る人が多い
という違いがあるんです。
日本人の約85〜90%が乳糖不耐症体質
これ、データを見るとびっくりします。
研究によると、 日本人の約85〜90%が、 大人になるとラクターゼの働きが弱くなる 「乳糖不耐症」の体質なんです。
つまり、多数派なんですよね。
「牛乳でお腹を壊すなんて、自分だけかな・・」 と心配されている方、安心してください。
むしろ、毎日コップ1杯の牛乳をぐびぐび飲んでも 平気な日本人のほうが、少数派なんです。
どんな症状が出るの?
乳糖が分解されないまま大腸まで届くと、 腸内細菌がそれを分解してガスをつくります。
その結果、
- お腹がゴロゴロ鳴る
- お腹が張る
- おならが増える
- 下痢っぽくなる
といった症状が出るんですね。
ただし、これは「アレルギー」とは別物です。 命に関わる反応ではないので、そこは安心してくださいね。
じゃあ、牛乳は一切ダメ?
そんなことはないんです。
LCT遺伝子のタイプによって、 「どれくらい乳糖に弱いか」には個人差があります。
多くの方は、
- 少量(コップ半分くらい)なら平気
- ヨーグルトや熟成チーズは比較的大丈夫
- ホットミルクのほうが冷たい牛乳より楽
といった感じで、付き合い方を工夫できるんです。
ヨーグルトは発酵の過程で乳糖が減っていますし、 チーズも熟成によって乳糖がほとんどなくなっています。
「乳製品は健康にいいから頑張って飲まなきゃ・・!」 と無理する必要はないんですよ。
カルシウムは別の食材から摂ればOK
「でも、牛乳をやめたらカルシウム不足にならない??」
これもよく聞かれます。
大丈夫です。カルシウムは、
- 小魚(しらす、煮干し)
- 豆腐、納豆などの大豆製品
- 小松菜、ほうれん草などの青菜
- ごま
など、和食の定番にもしっかり含まれています。
実は、日本人は昔から牛乳をほとんど飲まずに 和食からカルシウムを摂ってきた民族なんですよね。
体質に合わない食べ物を頑張って摂るより、 自分の体質に合った食材を選ぶほうが、 ずっと自然で続けやすいんです。
自分の体質を知ることの意味
「自分はどのタイプなんだろう・・?」
これ、遺伝子検査で調べることができるんです。
LCT遺伝子のタイプを知ることで、
- どれくらい乳製品が向いている体質か
- ヨーグルト中心のほうがいいのか
- そもそも避けたほうがいいのか
といった、自分専用の食事の方針が見えてきます。
「なんとなくお腹の調子が悪い」 「健康にいいと聞いて頑張って牛乳を飲んでるけど、 実は合っていないかも・・」
そんな違和感は、遺伝的体質が原因かもしれません。
Doctor’s Fitness 診療所のゲノムでYOBO相談
私たちの「ゲノムでYOBO相談」では、 GreenChordという遺伝学的検査を使って、 LCT遺伝子を含む様々な体質情報を読み解いています。
検査結果だけお渡しして終わりではなく、 医師が健診結果と合わせて30分じっくりお話しして、 あなたの体質に合った食事や運動のアドバイス を一緒に考えていきます。
「自分の体質、気になるなぁ・・」 と思われた方は、 まずはLINEでお気軽にご相談くださいね。
検査を受けるかどうかは、 医師とお話ししてから決めていただけますので、 ご安心ください。
過去記事でも、体質と食事の話を色々書いていますので、 よかったら覗いてみてくださいね。
次回は、「鉄分の代謝と遺伝子」についてお話ししてみようと思います。
それでは、また!