こんにちは、院長の宮脇大です。
先日、こんな相談を受けました。
「先生、ビタミンDのサプリを半年飲んでるんですけど、血中濃度がぜんぜん上がらなくて・・なんでですかね??」
実はこれ、けっこうよくある話なんです。
結論から言うと、ビタミンDの「効き方」は遺伝子によって大きく変わるんです。
その鍵を握るのが、VDR(ビタミンD受容体)遺伝子です。
そもそもビタミンDって、骨だけのもの?
みなさん、ビタミンDといえば「骨に大事な栄養素」というイメージがあると思います。
でも実は、ビタミンDの役割ってそれだけじゃないんです。
最近の研究では、
- がん細胞の増殖を抑える
- 免疫のバランスを整える
- 血糖コントロールをサポートする
- 心血管系のリスクを下げる
・・と、ひとつの栄養素とは思えないほど幅広い働きが分かってきています。
そして日本人って、ビタミンD不足の方が非常に多いんです。
屋外活動の減少、日焼け止めの普及、デスクワーク中心の生活・・ 現代の生活スタイルが、知らず知らずのうちにビタミンD不足を招いているんですね。
VDR遺伝子ってどんな役割をしてるの?
ビタミンDは、食事や日光でそのまま使えるわけじゃなくて、体内で「活性型ビタミンD」に変換されてからが本番です。
そしてこの活性型ビタミンDが細胞の中に入ると、VDR(ビタミンD受容体)というタンパク質と結合します。
この結合があって、はじめてビタミンDが「体の中で働く」ことができるんです。
イメージで言うと・・
ビタミンDが「鍵」で、VDRが「鍵穴」みたいなもの。
鍵穴にちゃんと鍵が刺さって回ってこそ、扉が開くわけですよね。
そしてVDR遺伝子には複数のタイプ(多型)があって、その鍵穴の形が人によって微妙に違うんです。
VDR遺伝子のタイプで何が変わるの?
VDR遺伝子には「FokI」「BsmI」「TaqI」「ApaI」などと呼ばれる多型が知られています。
少し専門的な名前ですが、要するに「鍵穴のバリエーション」がいくつかある、と思ってください。
これらのタイプによって変わってくるのが、
- 骨密度への影響の大きさ(骨粗鬆症リスク)
- がんリスクとの関連(大腸がん・腎がんなど)
- 免疫系の調整能力
- 血糖・代謝への影響
・・などです。
日本人を対象にした研究でも、VDR遺伝子の多型と大腸がん・腎細胞がんのリスクとの関連が報告されていて、決して他人事じゃないんですね。
「飲んでるのに効かない」の理由がここにある
「サプリを飲んでも血中濃度が上がらない」 「食事でビタミンDを意識してるのに、健診で低値が続く」
こういうケースの一因が、このVDR遺伝子のタイプにある可能性があります。
鍵穴の形が違えば、同じ量の「鍵」を入れても開きにくい・・ということが起きるわけです。
だから、「みんな同じ量のビタミンDをとればOK」というわけにはいかないんです。
VDR遺伝子のタイプを知ることで、
- 自分にとって適切なビタミンD摂取量の目安
- サプリの形態(D2かD3か)の選び方
- 日光浴の目安時間
- 特に気をつけたい疾患リスク
こういった「自分専用」の対策を立てる土台になります。
「知らないまま」より「知った上で」対策を
遺伝子の話になると「なんか怖い・・」と感じる方もいらっしゃいます。
でも、VDR遺伝子を調べることは「病気かどうか」を調べるんじゃなくて、 「自分の体の取扱説明書」を読むようなイメージです。
以前の記事でもお話ししたように、 ゲノム情報は「諦めるための情報」じゃなくて、「先手を打つための情報」なんです。
ビタミンDひとつとっても、自分の遺伝的体質を知ると、 サプリの選び方も、日光の浴び方も、健診の見方も変わってきます。
栄養は「種類・量・タイミング」だけじゃなく、 「自分の遺伝子に合っているかどうか」も、これからの時代は大切な視点になってきます。
VDR遺伝子を含むゲノム情報については、Doctor’s Fitness 診療所の「ゲノムでYOBO相談」でご確認いただけます。
「自分のビタミンD、ちゃんと効いてるのかな・・?」 と気になった方は、まずLINEでお気軽にご相談ください!
それでは、また!