こんにちは、院長の宮脇大です。

「Doctor’s Fitness(ドクターズフィットネス)」——この名前を初めて聞いた方は、「お医者さんがやっているフィットネスクラブ?」と思うかもしれません。

確かに、「Fitness」という言葉が診療所の名前に入っているのは、珍しいですよね。

なぜ、循環器内科医の私がフィットネスにこだわるのか。今日はその話を少ししてみたいと思います。

「治療」だけをやっていると、見えてくるもの

大学病院や急性期病院で、循環器内科医として働いていた頃——心筋梗塞、心不全、不整脈、弁膜症と、さまざまな心臓病の患者さんと向き合ってきました。

一生懸命治療をして、患者さんが退院されていく。それは本当に嬉しい瞬間です。

でも一方で、こんな気持ちもずっとありました。

「この人は、もっと前に介入できたんじゃないか・・」

心筋梗塞で緊急入院される方の多くは、何年も前から高血圧・高コレステロール・糖尿病といったリスクを抱えていたりします。でも、「自覚症状がないから大丈夫」と思っていた。

「発症してから治療する」だけでは、どうしても後手に回ってしまう。

そのもやもやが、予防医療への関心の出発点でした。

運動は、「最も再現性のある介入」の一つ

予防医療を考えるとき、私がいつも頭に置いているのが「運動」です。

適度な有酸素運動を継続することで、心血管疾患のリスクが低下するというエビデンスは、医学的にとても強固です。2型糖尿病・高血圧・認知症に対しても、運動の予防効果を示す大規模な研究が積み重なっています。

ある意味、「薬を飲むのと同等か、それ以上の効果が期待できる介入」が運動であると言っても、過言ではないと思っています。

でも——

外来で患者さんに「運動してください」と言うだけでは、なかなか続かないんですよね・・。

「言うだけ」では変わらない、という現実

「運動してください」「食事に気をつけてください」

医師から言われるのは分かっている。でも、実際に生活は変わらない。

これは、患者さんの意志の問題ではないと思っています。

「どんな運動を、どれくらい、どうやって続ければいいか」が分からないまま、「とにかく運動して」と言われても、動きにくいですよね。

特に、心臓病を経験された方や体力に自信がない方にとって、「どこまでやっていいのか分からない」という不安は大きい。

医療と運動指導が分断されている限り、この問題はなかなか解決しない——そう感じていました。

医療とフィットネスを、一体化したい

だから生まれたのが、「Doctor’s Fitness(ドクターズフィットネス)診療所」のコンセプトです。

医師が、医療の視点でその人に合った運動処方を考える。そしてフィットネスの場でそれを実践できる環境を作る。

これが、私がずっとやりたかったことです。

内科の診察室でしか関われない医師ではなく、運動の場でも患者さんと繋がれる医師でいたい。「先生に診てもらいながら運動できる」という安心感の中で、生活が変わっていく——そういう場所を作りたかった。

名前に「Fitness」が入っているのは、そういう思いからです。

ゲノムが加わることで、「個別化」が進む

さらに、ゲノム情報が加わることで、もう一段階の「個別化」が可能になると考えています。

「運動してください」ではなく、「あなたの遺伝的な体質と今の健康状態を踏まえると、こういった種類・強度の運動が特に有効かもしれません」という話ができるようになるかもしれません。

これが実現できれば、「みんなに同じ正解」ではなく、「あなたに合った予防プログラム」になる。

なぜ予防医療にゲノムを取り入れたのか(後編)でも触れましたが、Precision Medicine(個別化医療)の考え方が、日常の予防医療に落ちてきている時代になっています。

運動も、その一部になりえる。

そう信じながら、日々の診療に向き合っています。


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それでは、また!

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